HIEDA NET Corpration
 > これは変だよ  > 責任分界点


 

東久留米でとある自動車修理工場の事務所内通信設備の工事をインテグレーションしたときのことです。

アナログ回線をISDN同番移行にしました。○TTブランドのボタン電話主装置(日通工製)の設定変更やTAのアナログポートをあたかも局線のごとく収容する設定は、この自動車修理工場のお客さまである電話工事会社が行いました。

この電話工事会社は、普段は○TTの下請け業者として稼動しています。いわゆる○TTに電話線を引いてもらうときに、
 「ちわー、○TTです。」
と工事に来る業者です。今回は、まぁアルバイトという感覚でしょうか。

全ての工事と設定も終了し、発信・着信も出来ることを確認しその日は解散しました。翌日の午後、自動車修理工場から、
 「電話が使えません。」
という連絡がきました。同日のお昼過ぎまでは問題なく出来ていたということです。確かに発信・着信とも出来ません。113に電話をすると、
 「回線がリバースしています。」
というのです。そのあとの言葉が少し失礼でした。
 「TAの方でリバース受けに設定できますよね? そのように設定を変えてください。」
というのです。もちろんその対処は可能です。しかし、本日、お昼までは回線はリバースしていなかったから通信できていたのです。今回リバースしてしまったのは、責任分界点より回線業者側です。この指示には納得できません。回線のほうを元に戻すべきでしょう。しかし、
 「それは出来ません。」
という。そうですか、それならば本日お昼まではリバースしていなかったものがなぜにリバースしたのか、どこかの電信柱や地中の配管で工事のため接続を変え、元の接続にするときにリバースしてしまったのではないか、あるいは局内でジャンパの変更があったのではないか、などの可能性を伝え、○TTとしての責任の所在および見解を文章で回答するように要求しました。

後にFaxできた回答を見ると、
 「何もしていません。」
とう内容のものでした。このときに対応していただいた○TTの職員の方とは、
 「誰の手も経ないで回線がリバースすることはまずない、」
という点では意見は一致していますが、それなのに
 「誰もリバースしていないし、どこぞの道路でも、電信柱でも、局内でも、工事はしていない。」
という納得できない説明です。

まぁ、企業で利用している専用線でも、しょっちゅう障害が起きるから回線業者である○TTに調査を依頼すると、決まって、
 「何ともなかったです。」
という回答が返ってくる割には、その後は障害も起きなくなった、なんて話はよく耳にしますしね。

そういえば、この企業のグループ企業の某移動体通信業者の情報システム部に出入りしていたときに気づいたことですが、掲示板に張り出されている障害情報(社外秘)の多くは、公開/非公開の「非公開」のほうに○がしてありました、なんてこともありましたから、世間に対しては、
 「何もなかったです。」
ということにしているのでしょうね。

困ったもんですねぇ。

初出 Oct 2000
最終更新日 09 Nov 2003



 (C)2003 HIEDA NET Corporation All rights reserved.