HIEDA NET Corpration
 > これは変だよ  > 従業員の犠牲の上に社長の生活が?


 

まずは基礎知識のため、関連リンク

およそ、企業というものは、経営者の利潤追求の道具であるばかりか、社会的責任を持つものである

上場・非上場問わず、また、株式会社・有限会社などの種類にかかわらず、である。しかし、経営者の利潤追求の道具としてのみ、活動することで事足りる、と考える経営者は多い。

で、日本版SOX法、についてだ

相次ぐ会計不祥事やコンプライアンスの欠如などを防止するため、米国のサーベンス・オクスリー法(SOX法)に倣って整備された日本の法規制で、上場企業およびその連結子会社に、会計監査制度の充実と企業の内部統制強化を求めている。詳しくは、前述のリンクを読んでもらうとして、金融商品取引法(実際には「証券取引法等の一部を改正する法律」およびその整備法)は2006年3月に国会へ提出され、6月に成立した。同法は緊急性の高い条項からの順次、段階的に施行される。内部統制報告書の提出・監査に関しては、附則第15条で「平成20年4月1日以後に開始する事業年度から適用する」と定めており、2009年(平成21年)3月期の本決算から上場企業およびその連結子会社を対象に適用となる。

すると、多くの人のもつ誤解に、

  • 自分には関係ないんでしょう?
がある。
  • 金融商品取引法の対象となる企業だけでしょう?、とか、
  • 上場企業およびその連結子会社だけでしょう?、とか、
  • 会計とか経理の範疇だけでしょう?、とか、
ね。

だけど、内部統制報告書の中身となる内部統制は、

  • 財務報告の適正性確保だけでなく、
  • コンプライアンスや経営方針・業務ルールの遵守、経営および業務の有効性・効率性の向上、リスクマネジメントなどより広い範囲が対象
である。

簡単に言えば、「企業の価値・資産を下げないようにルール守ってますか?を証明できること」なんだな。法規守っていない企業が、商品売れなくなって資産減らしてつぶれるでしょう?

ゆえに、金融商品取引法の対象となる企業と取引する企業が金融商品取引法の対象とならない企業であるとしても、金融商品取引法の対象となる企業が

  • パートナー企業は公正か?適正か?
を考慮した場合に、
  • 当該企業はコンプライアンスに問題あるゆえ、当社との取引にふさわしくない
と言う判定がされることもあり得る、ということ。

ゆえに、金融商品取引法の対象とならない企業であるとしても、

  • 内部統制報告書を提出する義務はないが、
  • 内部統制はしないとやっていけないよ
ということなのだ。

日経BPの***BPnet スキルアップメール を購読されている方ならば、2007-8-23配信版で、

  • ビジネスマンが押さえておくべき内部統制のポイント
として、石井邦尚(いしい くにひさ)弁護士が記事を書いている。これを読むと、非上場企業・中小企業にとっても内部統制は重要とわかるはず。
※ 内部統制とは、4つの目的
  1. 業務の有効性及び効率性
  2. 財務報告の信頼性
  3. 事業活動に関わる法令等の遵守
  4. 資産の保全
が達成されているとの合理的な保証を得ること、として、非上場企業・中小企業においては(2)よりも(1)(3) の目的、といっているが、(4)資産の保全、も大事であろう。企業の不祥事によって賠償問題となったら、中小企業にとっては存続の危機となる可能性も大だから。

その夜の社長の夜遊び代金は従業員の犠牲の上に成り立っている?

哀しいかな、インターネットがこれほど普及していると言っても、まだ世界人口の1/4しか利用できていない。そして、日本の企業の大部分である中小・零細企業は

  • 内部統制?、なんのこっちゃ?
という状態。頭痛いなぁ。

まあ、北裏さんのお勤めする会社のように、日本に住んでいる人だけでなく、世界的有名企業でも、「法令をまともに守っていたら商売できなくなっちゃうよ。」なんて、法令順守を意識していない従業員が、ゴチャマンといるもんね。上場企業なのに。

で、昨晩、行きつけの居酒屋に、シンデレラの時刻に行った。なんて立って、とても暑く、びーるを飲みたかったから。

予定では、1時間で帰るはずだったが、チョット顔見知りの零細企業の社長が話しかけてきた。まあ、

  • 電波障害でCATVが只の話とか、
  • 雇用保険の話とか、
  • 社会保険の話とか、
である。その中で、
  • 企業によっては、従業員を社会保険加入させると、企業負担が大きくなり、経営が成り立たないこともある
  • 日本の多くの中小・零細がそんな状態、
  • それも仕方のないこと
なんて言った。当然、天災以前からこんなこと書いているので、
  • それは違法状態ジャン!まずいよ!
的発言(言わなきゃよかった・・・、聞き流せばよかった・・・、ってか?出来ないよ!)。その後喧々諤々状態に突入。午前2時閉店まで。

じゃあ、社長さんがこのような高級なお店で呑んでいるのは従業員の犠牲の上に成り立っているの?

違法行為をしないと立ち行かない商売なんてやめるべきじゃないか?

仕方なくやっている、でないと商売が成り立たない、なんていっているけれど、今の優雅な生活レベルを下げたくなく、従業員にその負担を押し付けているだけと感じる。それっておかしいでしょう?

こんな違法行為を経営者自らがやっている企業は「法令遵守」なんてない。「企業の社会的責任」なんて意識もない。

日本の多くの企業は、中小企業であり、その多くが大手有名企業の下請け・孫請け・ひ孫請け・etcである。金融商品取引法の対象となる企業と取引するのに、パートナー企業として公正・適正であらねばならない。

しかし、多くの経営者がそのことを意識していないと感じる。

自分が被害者となるのに、「多少の違法行為は我慢しないと・・」と言う従業員もいるので・・・

目先の仕事を失うことが怖いということか。でもそうしている限り世の中、良くならないぞ!

どちらかと言うと、戦うことも面倒らしい。受忍するのも人それぞれでしょう、と議論を逃げる。

課長とか部長という立場で、「多少の違法行為はしないと商売にならない」と、

部下にサービス残業を強いたり、なんて行為も違法だ。そんな態度偉らかないし迷惑だよ。

あったり前のことだけれど・・・

中身を偽ったコロッケを作り売った企業や、腐ったお菓子を売った企業や、労基法違反のピンハネをした企業は、いづれも金融商品取引法の対象となる企業なのだけれど、公正・適正でなかったね。

内部統制するには、

たとえばIT部門では、サーバの設定ひとつ変更するにも記録を残す、ということ。事故があったときに、後から監査できるよう証跡を残すということ。そのサーバの設定変更が、IPアドレス追加とかドメインネーム削除でも。

※ 今日のYahoo!の占い。社長さんにはきつかったね。
初出日 22 Aug 2007
最終更新日 22 Aug 2007


 

 (C)2003-2007 HIEDA NET Corporation All rights reserved.