今回は、現在もっとも普及しているネットワークメディアである、イーサネットについて学びましょう。


 

 

現在主流のEthernetメディアには以下の種類があります。

 

速度100Mbpsでは、

カテゴリ5のメタルケーブルを使用する100BASE-TX

シングルモード、もしくはマルチモードの光ケーブルを使用する100BASE-FXがあります。100BASE-FXの光レーザの波長は1350nm850nmがあります。

 

速度1Gbpsでは、

エンハンスドカテゴリ5のメタルケーブルを使用する1000BASE-T

シングルモード、もしくはマルチモードの光ケーブルを使用する長波長1350nm 1000BASE-LX

マルチモード光ケーブルを使用する短波長850nm 1000BASE-SX

があります。

 

ネットワーク機器には

リピータ スイッチ ルータ

があります。


 

 

ネットワークメディアの基本的な機能は、ビットおよびバイト形式の情報をLAN全体に搬送することです。ワイヤレスLANの電磁波や、電気ケーブルまたは光ファイバケーブルがあります。

 

ネットワーキクングメディアはレイヤ1(物理層)LANコンポーネントです。コンピュータネットワークは様々な異なるメディアを混合して構築します。

 


 

 

LANプロトコルはレイヤ2(データリンク層)LANコンポーネントです。ネットワークメディアと同様、様々な異なるLANプロトコルを混合して使用し構築します。

 

現在、一番使用されているネットワークのケーブリング技術・ネットワーキクメディア、及び、LANプロトコルがEthernetです。

 

ネットワーキングメディアとLANプロトコルはイーサネットのほかに、

                            Token-ringAppleTalkFDDI 

などがあります。

 

 


 

 

Ethernet はその信号が伝播する範囲内のネットワークでは、接続されているすべてのホストに信号を伝達します。このようなネットワーク上の全てのホストに信号を伝える動作・状況を「ブロードキャスト」型ネットワークといいます。

 


 

 

「単一宛先への信号 ユニキャストトラフィック」を宛先ホストだけでなく、その信号が伝播する範囲内のネットワークに接続されているすべてのホストに信号を伝達します。

 

信号にはその宛先を示すデータが含まれており、信号が伝わったホストは「そのデータが自分宛のものかどうか」を調べ、自分宛でない場合は破棄し、自分宛の場合には取り込みます

 


 

 

信号を送出しようとするホストはネットワーク上に他のホストからの信号がないことを確認して信号送出を行います。

 

別なホスト同士の信号の衝突を「コリジョン」と呼びます。「コリジョン」は信号を破壊し意味のないものとしてしまいます。

 

信号を送出したホストは「コリジョン」を検出すると「信号の再送」を図ります。次のコリジョンを避けるためにランダムな時間経過後に「信号の再送」を行います。

 

この様にEthernetLAN上では、常に一度に1つの通信だけが存在します。

 

コリジョンが起こる可能性のあるネットワーク範囲を「コリジョンドメイン」と呼びます。

 

「コリジョンドメイン」は、一つの独立したセグメントを構成します。

 

「コリジョンドメイン」はレイヤ2のブロードキャストネットワークです。

 

 

信号を送出しようとするホストはネットワーク上に他のホストからの信号がないことを確認して信号送出を行いますが、偶然、複数のホスト(今回はホストABとしましょう)が同時に信号を送出してしまった場合を考えてみます。

 

Ethernetはそのネットワークに接続してある全てのホストに信号が伝播する「ブロードキャスト型」ネットワークですから、当然、ホストAが送出した信号とホストBが送出した信号は衝突します。


 

 

ネットワーク上に他のコンピュータの通信がないことを確認します。


 

 

 他のコンピュータが通信をしていなければ、送信開始


 

 

自分宛のデータならば取入れ、そうでなければ無視します。


 

 

 入力した信号を全てのポートに送出するリピータHUBは、1つのコリジョンドメインを形成します。リピータHUBが接続しているネットワークはそのポート数に限らず「1つのセグメント」を構成します。


 

 

入力した信号を宛先のホストが接続しているポート以外には送出しないスイッチングHUB(スイッチ)は、ポート毎にコリジョンドメインを形成します。つまりポート毎に独立したセグメントを構成します。

 

スイッチングHUBはポートに接続されたネットワーク機器の物理アドレス(MACアドレス)を検出し記憶することで、宛先のネットワーク機器が接続されているポートにのみ信号を送出します。


 

 

 宛先のないポートには信号を送出しないので、あるポートに接続しているネットワーク上でのコリジョンを、他のポートにつながっているネットワークに伝播しません。

 

そこで、スイッチングHUBは、コリジョンドメインを分割する事が出来ます。このことを「セグメントを分ける」といいます。

 


 

 

OSI参照モデルのレイヤ3(ネットワーク層)のブロードキャストは、同一ネットワークアドレス内に限って全ホストに信号を届かせることです。

 

レイヤ3のブロードキャストが到達するネットワーク範囲を、「ブロードキャストドメイン」といいます。

 

スイッチングHUBは、レイヤ3のブロードキャスト信号の入力が全てのポートに送出されます。それはスイッチングHUBが信号送出先ポートを選択するのに物理アドレス(MACアドレス)を利用し、論理アドレスを利用していないからです。したがってスイッチングHUBは論理アドレスによるネットワーク分割を行いません。

 


 

 

スイッチングHUBは論理アドレスによるネットワーク分割を行わないので、スイッチングHUBでは、レイヤ3のブロードキャスト信号は全てのポートに送出されます。

 

スイッチングHUBのポートに接続されたネットワークは1つのブロードキャストドメインを構成します。

 

 

 


 

 

 異なるネットワークアドレスのネットワーク同士を接続するネットワーク機器に、「Router」があります。ルータは論理アドレスを利用して信号送出先ポートを選択します。

L3ブロードキャストはルータを越えません。

ルータはブロードキャストドメインを分割する事が出来ます。

 

 .ルータで接続された論理ネットワークアドレスが異なるネットワークへは、L3ブロードキャストは到達しません。

 

 


 

 

まとめです。リピータはケーブル上の電気信号を増幅するための機器です。

 

リピータは複数のコリジョンドメインを接続して1つのコリジョンドメインを構成します。

 

これは、リピータはケーブル上の電気信号を増幅するための機器で、宛先の選択という機能がないからです。 レイヤ2ユニキャスト(単一宛先への信号)を全てのポートに送出します。

 

リピータは最低2つのポートのみでも動作しますが、複数のポートを持ったマルチポートリピータも存在します。現在はこちらの方が主流でしょう。マルチポートリピータをリピータHUB、あるいは単にHUBと呼びます。

 

リピータはOSI参照モデルの物理層の機器です。

 


 

 

ブリッジは電気信号を増幅し複数のコリジョンドメインを接続します。ただし、1つのコリジョンドメインにはまとめず、複数のコリジョンドメインのまま対応します。

 

これは、宛先機器の物理アドレス(MACアドレス)を監視し宛先機器のいないセグメントには信号を送出しないからです。レイヤ2ユニキャストキャストを他のポートに送出はません。

 

複数のコリジョンドメインを1つのブロードキャストドメインとして構成します。

 

ブリッジは論理アドレスを使用しないので、単一の論理アドレスネットワークを構成します。レイヤ3ブロードキャストは全ポート上の全ホストに対して送出します。

 

ブリッジはOSI参照モデルのデータリンク層の機器です。

 


 

 

複数のポートを持ったマルチポートブリッジをスイッチまたはスイッチングHUBと呼びます。

 

MACアドレス監視にソフトウェアで対応しているものよりハードウェアで対応しているものの方が高速です。

 

スイッチはOSI参照モデルのデータリンク層の機器です。


 

 

 

ルータは電気信号を増幅し複数のコリジョンドメインを接続しますが、ブリッジと同様に1つのコリジョンドメインにはまとめず、複数のコリジョンドメインのまま対応します。

 

物理アドレスだけでなく論理アドレスも監視し宛先機器のいないセグメントには信号を送出ないので、L3ブロードキャストをセグメント内に押さえ他方には伝播しません。

 

ルータは複数のブロードキャストドメインを接続しますが、複数のブロードキャストドメインのまま対応します。

 

ルータはOSI参照モデルのネットワーク層の機器です。

マルチポートルータを通常レイヤ3スイッチと呼びます。

 


 

 

これまで述べてきた事を踏まえて、ネットワークモデル上でのコンピュータ同士の通信をと見てみましょう。送信側のコンピュータと受信側のコンピュータの間に、リピータ・ルータ・スイッチと存在するネットワークを想定します。

 

送信側のコンピュータ内では上位層から下位層へデータは渡され、物理層レベルでネットワーク中継機器に伝わります。

 

図の最初のネットワーク機器はリピータです。リピータは電気信号や光信号を増幅するのみなので、レイヤの移行はありません。

 

次のネットワーク機器はルータです。ルータの中では受信データをデータリンク層へ、そして更にネットワーク層へ渡します。ここで受信側コンピュータと送信側コンピュータそれぞれが属するネットワークのネットワークアドレスが異なる事が判ります。ルータは異なるネットワークを接続するレイヤ3の機器だからです。

 

次のネットワーク機器はスイッチです。スイッチはデータリンク層のアドレスを見てデータの転送先を決めます。ネットワーク層のアドレスは見ないので、データは物理層のインターフェースから受信側コンピュータに送られます。

 

こうしてデータは受信側コンピュータに伝わります。この後受信側コンピュータでは下位層から上位層へとデータが渡されます。

 

ブリッジのデータ転送機能をブリッジングといいます。

 

スイッチのデータ転送機能をスイッチングといいます。

 

ルータのデータ転送機能をルーティングといいます。